ぽこぽこうんぽこ

誰かチャンスをください。頑張って自分なりに小説を書いています。

きみと、波にのれたら を見て感動したので勢いで書いた感想

毎月映画レビューみたいな感じで細々とやっているわけですけどあまりにも良い映画と出会ったので勢いで感想書きます。

 

きみと、波にのれたら(2019年)
オタクは見るな、死ぬ。
100点見た日 7月17日

 

湯浅政明監督のアニメ映画です。

シリーズものでもない新作の単発アニメ映画が如何に流行りにくいかとういのは前回のバブルの記事を読んでください。

worldplplpl.hatenablog.com

 

運命的な出会いをした男女がバカップルになり、彼氏の幻影を追いかける彼女のお話なんですが彼女のポジティブさ(アホさ)、そしてそんな彼と彼女を囲む人々に泣かされる。

ドライブのシーンで冒頭にもかかっていた音楽を基調として「犬王」でも挙げたがこのメロディー、加えて歌詞までもがこの作品全体に活かされている。
幼少期にお互いに聞いていたために生まれた場所が違う地方に来たヒナコと地元出身のミナトが共有する最初のモノとして描かれている。

 

この音楽についても話します。
世間の人は音楽に対してそこまでの思いを持っていないと思っている。
日常的に好んで音楽を聴き続けている人ってそんなにいますか?これはインターネットを使えるようになって娯楽が多様化しすぎているという百万回聞く論法になるんですけど、音楽っていうのは流れているものくらいにしか思っていない。
多くの人が聞いている音楽っていうのは結局はより多数の人が見るメディア(TV、CM、ゲーム、アニメ、映画、ドラマの主題歌等)のタイアップ作品でしかないんです。
興味があるアーティスト、ジャンルの音楽があれば他の音楽を聴く余裕はないと、それぞれの人生があるからそれぞれ好みなんていうのは千差万別であるはずなのに大ヒットのような曲が誕生する矛盾が発生している原因。
これが、世間の人たちが音楽には大した思いを持っていないという証だと思っています。
ただ、そんな人たちですら好きな音楽、思い出の曲がある。
人生の思い出に残る瞬間で一番簡単なものが音楽なわけ、そしてタイアップされた曲っていうのは今後もその音楽単体でも他のメディアが再度タイアップされる際にも使われるわけ。(権利とかでときどきゴニョるけど)
そして、その音楽はその人生の場面場面を振り返るきっかけになるよね。
好きである必要も聞き続ける必要もない、音楽も思い出もときどき思い返せばよいだけだから。
ときどき陳腐や程度が低いとか、なんでこんな曲が…とかの話も目にするけれどそれらも思い出になっているわけだから。
音楽とかの技術っていうのは上を見ればキリがないし、より大衆に響く音楽って言うのは圧倒的カリスマとかがない限りはいずれの音楽も後天的には陳腐なものになってしまう。
つまり、今の流行りの曲は~という指摘は的外れななんですよね。

そして、その流行りの曲が流れていたからこそ(加えて、ひな子もミナトも音楽に対して熱い思いを持っていないからこそ)二人の共通の話題として主題歌にもなった曲が話題に上がったんですよね。

 

そして、話が進むにつれて主題歌の音楽のかかる回数は減っていく。これは主人公がミナトへの執着を克服したのだと、成長したということを表している。

 

 

君の名は。」というか新海誠の映画はどれもそうですけど主題歌が良い具合に挿入されることでまるでMVだみたいな評価がされていましたが、本作はそんなものとは全然違う。*1

 

先の流行音楽とはの件でも書きましたタイアップ用の楽曲なんでしょうけどそれでも本作にしつこいくらいに登場させることで本作の世界での流行曲ということがイヤでも印象につく。

本作の音楽が合わないという方もいるのだろうけれど、それは仕方がないんですね、だって合わなかったんだから。
でも、ひな子とミナトはそれでつながったから。彼らの人生の思い出だから否定する権利はないです。登場人物たちの話を見ているわけですから。

 

今作はひとつの大きなテーマとして夏があると思う。
夏は青春だし熱いし何かが起こるきっかけ
花火が夏の象徴として描かれている。
そして夏の象徴でもある海のある街が舞台になっている。
夏といえばギラギラの太陽とそれを反射させる海(水)だよな、夏は確かに雨や台風も多いんだろうけど一般的にはキラキラしているもんなんだよ。
つまり、明るい映画だってこと。
だからこそ前述もしたけれど彼氏(ミナト)が死ぬというショッキングな事が起こったとしてもそこまで暗い印象を持つことはない。
そして、人々も明るい。

明るすぎてカスが無資格無謀の花火を計画して2年連続放火騒ぎを起こしてしまうくらいには。

 

メインタイトルでもある「きみと、波にのれたら」は最初は主人公のひな子が恋人でもあるミナトに対して、一緒にサーフィンをしたいという思いから来ている
それが、後半になるとミナトからひな子に対しての願いに変わっている。あまりにも上手すぎる。
そして両者の願いは互いに叶っている、つまりは両者ともに歩み寄るために努力し達成したということの証明でもある。もうね、俺はこういうのに弱い。

この映画にはたくさんのヒーローとそれに救われた人が出てくる。
ひな子からミナトへ(火事をきっかけにした運命的な出会い)
ミナトからひな子へ(元々、命を救われていることに加えてバカップル時代に発した安易な言葉としても)
わさびからミナトへ(あまりにも偉大過ぎる恩人として)
洋子からわさびへ(自分が周りとなじめなかった際にわさびがかけてくれた洋子は洋子だというに対して)

ミナトと訪れた恋人たちの聖地のタワーにて、ようやくミナトへの思いも振り切れてきたであろうその後のクリスマスの夜に一年越しのミナトからのひな子へのメッセージで不覚にも号泣。こんなのズルい。

 

人生でこんなに号泣したのはここ数年で言うと「ボヘミアンラプソディのエンドロール」「宮本浩次のライブで聞いた異邦人(時間旅行が~)」ここに「きみと、波にのれたら」が加わりました。

こんなに好きな映画が出てくるとは思わなかった。
もう本当に全部好き。

 

以上、勢いでした。また更新すると思う。

*1:筆者は君の名は。の音楽シーンは全部不要だと思っているので「君の名は。」をたいして評価してないです