ぽこぽこうんぽこ

誰かチャンスをください。頑張って自分なりに小説を書いています。

2023年1月に見た映画

映画レビューって、映画見ないとできないんだ…ということに気づかされた昨年後半でした。

今年は毎月4本くらいは見てちゃんと書けたらよいなと思います。

 

前月はこちら

worldplplpl.hatenablog.com

 

 

 

劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ(2019年)


7点 もはや様式美。ありがとうシティーハンターの新作、事実上の10点。
見た日 2023年1月18日

公開当時、この映画は様式美だと話題に上がってたけどまさにその通り。
小さい頃見ていたシティハンターが令和でもシティハンターしてた。
当時は携帯もなかった時代で、駅に設置されていた待ち合わせ用の黒板に合言葉を書くと…という都市伝説が同様の機能を持つ電子端末になっており、登場人物らもスマホをしっかり使っていたり、海坊主の店に小海坊主というようなペッパーくんみたいな配膳ロボが導入されていたりと現代に合わせた変更もされていて違和感を埋めてくれている。
ついでに、コンプラに負けずにセクハラ揉み揉みももっこり連呼あって、昔にあったものがなくなっていることもない。

OPで既に出ていたけれどキャッツアイの友情出演と、ラスト怒涛の主題歌連続とかシビれる。
シティハンター楽曲は昨今のシティポップ音楽ブームによって耳にする機会も多いために古くも感じないところが時代の面白いところ。

なによりも御年76歳という神谷明氏の声が聞けて嬉しい。
作品自体がもはや30年前の作品なため、この様式美が失われる日も近い。
変わらないものが変わってしまうのはなんと悲しいことか。
しかし、そうなっていくことが常の中で変えないように努力し継続して作品が作られていくことへの感謝が尽きません。

今年はまた新作できるらしいすげえ。

数年にわたっていわゆるゴールデンタイムに放送されていたようなアニメ作品は近年減っている。というか、増えることが今後ほぼない。
要因はたくさんあるのだろうけれど、塾や習い事などの影響で家族で一緒に飯を食うことがなくなっているとか。そもそも19~21時の間にアニメが放送されていたのは最終が2007年くらいの話だし自分らの世代が既にそういう目で見られていた。
更には、原作となる漫画作品の傾向なんかも影響しているのではないかとも思う。インターネット上で話題に上がっていた最初の3ページで誰か殺せというようなインパクト重視なアドバイスが当たり前のように言われている。
これは、スマホの普及により作品がほぼ無限に読めることから少しでも手を止めるための作戦なのだと思う。何が言いたいかと言うと、こうした作品の多くが置かれている立場が変わってしまっている事。

当時のシティハンターのような作品がお茶の間に受け入れられていたのはつまり、毎度同じ時代劇に言われるような起承転結がはっきりとした作品、
シティハンターの様式美の所以ともなっている作品自体に存在する定番の流れみたいなものが失われている。
そのことに嘆くことはないのだけれど、こうしたアニメ作品があったことで幅広い年代にアニメが受け入れられていく土台が出来上がり今日のアニメブームが成り立っていること。
シティハンターの新作が作られていることでこのことを忘れないように心にとどめるのであった。

 

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃(3回目) 2005年


7点 しんのすけのおちんちんからビームが出る話
見た日 2023年1月18日
朝の忙しい時間を過ごし、カップラーメンで栄養を摂ろうとしたみさえのもとに三分間後の世界に転生して現在のこの世界を救ってほしいとシリマルダシを依り代にした謎の存在ミライマンに頼まれる。
3分後の世界にてスーパーマンのような活躍をすることになるが、3分後の世界ではその活躍は消去され、なくなった未来の活躍は当然現在の世界でもその活躍を認められることはない。
両方で生じるギャップのため、ストレスと義務感により実際の生活がおろそかになり、やがて、ストレス解消のためヒーローであろうとする自分に依存してしまう。
クレヨンしんちゃんの映画ではこうした子供から見た大人が大人をしていないというホラーが良く描かれている。

特に本作はオトナ全員ではなく、しんのすけから見た両親のみが対象であり、劇中でもふたば幼稚園の先生らからネグレクトではないかと疑いを向けられるシーンもある。

子ども向け映画でネグレクトシーンが出てきて良いのか…。

 

ところで、本作でのしんのすけの立ち位置は世界を救うヒーローに選ばれた野原家の長男である。

長男であるから妹であるひまわりを守るし、親の期待に応えようとする姿がかっこよい。
それも相まって、ラスボス戦にてどうしようもなくボロボロになってしまった際にははしんのすけがただの5歳児ではなく、家族全員のことを想うお兄ちゃんヒーローとして正義パワーで勝利するという涙涙のお話に仕上がってしまった。
さらに見どころとしては上記に加えて、わかりやすく正義のヒーローがテーマになっているためアクション仮面、カンタムロボ、ぶりぶりざえもんのようなヒーローがしんのすけを後押ししているところも泣かせる。

しんのすけがヒーローでありながら同時にヒーローに憧れる5歳児である姿も同時に描かれているところ、子供が見たら嬉しすぎてションベン漏らすと思う。

 

また、ぶりぶりざえもん登場の際には元々の塩沢兼人さんが亡くなってから初の登場であり紙に文字だけで会話をするという漫画のような形式であった。
その後、2016年に神谷浩史さんが声優交代するまでぶりぶりざえもんはクレしんを象徴するキャラでありながらも声なき存在で在り続けるのであった。

そういうこともあり、クレしんファンとしては思い入れのある作品でした。
ゲストキャラはギター侍*1、懐かしい。

 

新・男はつらいよ シリーズ4作目 1970年


7点 下町の人間は熱海にでも行ってろ
見た日 2023年1月20日

冒頭の競馬で大当たりからのハワイに連れて行ってやるよ→詐欺師だったのでお家帰って4日間黙って過ごします…の流れ最高に面白い。
近所全員が集まって万歳三唱でハワイに送るところとか、1970の当時では当たり前だったのかなあと思いを馳せる部分も多い。
ハワイに連れて行ってあげた(つもりだった)寅に対しての、「本当はハワイなんかには行きたくなかった。熱海で十分だった」と言ってしまう叔母さんのぐう畜さ。言ってしまえる仲を評価するべきなのだろうか。
寅さんの扱いの難しさとそれを心得ているとらやが行った、寅さんが照れくさそうにいつものように挨拶をして帰ってくる様子が良い。
ラストも同じような対応で出かけていく。この人たちがいるから結局寅さんは旅立っていくし帰っても来るんだと思う。
まあ、その行動が次回作では問題を起こしてしまうのだけれど。

マドンナも寅さんがいなくなってから貸し出されている2階に住んでいるため、距離が近いく関わっているシーンが比較的多くて良い。
他の男衆がメロメロになっているところもポイント高い。

 

 

男はつらいよ 望郷編 シリーズ5作目 1970年


6点 寅さんはやっぱりヤクザもんであるべき
見た日2023年1月21日

冒頭、旅先の上野から電話を掛けたところ、からかってやろうとした面々は叔父が生死の境をさまよっていると嘘を告げられ急いでとらやに帰る寅さん最後の孝行だと葬式の段取りをバッチリやってしまったせいでドッキリが台無しにというところからスタート。

お世話になった親分が子供に遭いたいという願いすら聞き入れてもらえず死んでしまった様子を見て、地道に生きることの尊さを知った寅さん。
同じ下町連中の下に向かうも拒否されてしまうところ悲しすぎるけど、これが寅さんに対しての正当な評価なのだと思うと。


実は生き様、死に様とか人生をテーマにしていて結構深い回でもある。

しかし、浦安のマドンナが問題だわ。
勝手に恋をした寅さんも寅さんだけれど、実家の豆腐店を引き継いでやるとまで言わせたうえで、他の男と結婚して旦那の稼業にひっついていくというのだから、勝手に想像していたとはいえたまったもんじゃないよな。
そんな都合の良い話があるわけないだろうと説教してやりたいところ、しかし不満は表に出さず黙って出ていく寅さんなのであった。

ラスト、それらもひっくるめてやっぱりヤクザとして生きていくと登に対して仁義を切るところは名シーンだね。

 

 

見えない目撃者 2019年


8点 吉岡里帆がかわいい
見た日 2023年1月21日

吉岡里帆を見たかったので見ました。
そのため吉岡里帆主演、ずっとかわいい。
しかも盲目の元警察官で正義感に熱く真面目なシーンが多いため絵になってる。

冒頭の盲目で精神患者の話をまともに聞かない警察官で在ったりだとか、連続殺人の被害者の描写、盲目の主人公をアナログな弱い存在と言うイメージではなく音声案内を駆使したデジタル強者として描いているところが面白かったし元警察官の正義感の強さとあっていて良かった。

先天性ではない盲目の主人公というところが良いのか感覚を駆使して目の前の風景を想像してそれが映像として表れているところ、面白かった。
腕時計の針の音で相手の腕が目の前に迫ってきていることを感じ取るとかそういうシーン、あまり見ないキャラクターだったので新鮮な気持ちで見れました。

儀式殺人とか言っていたけれど、かなり巧妙にやっていたのがバレかけた犯人は真相に迫ってきている相手全員殺そうとするし、連続殺人のアイデンティティでもあった女子高生とかも無視しておっさんを供物にして「はい、終わり」の一言で儀式を終わらせたシーンは笑いを誘う。
動機としても、カリスマ性のあった連続殺人犯の模倣犯であったために信念はないというお話。まあ、これも無理のない話かなとも思うし違和感がない。

終始謎めいておりながら事件が続くような形で緊張感がある。和製セブンとか調べたら出てくるけど評価負けしていない。

 

 

嘘八百 京町ロワイヤル 2020年


8点 
見た日2023年1月21日

広末涼子が見たくて…。
広末涼子がやはり超美人の激マブ(死語)として描写され、それに振り回される男ども、広末涼子も年齢が年齢なのでこういう立ち回りもできるようになってくれて俺は嬉しい。
現役のホステス役はちょっと肌のあれとか無理あるような感じしたけどね…。まあ、そこも興奮します。

京都を舞台に一つの茶碗を争う悪徳古美術家と元贋作師などが織りなす古美術詐欺バトルロワイヤルという比較するもんがなくて面白いのかどうかよくわからない話。
まあ、要するにコンフィデンスマンですわ!w

京言葉でまくしたてる俳優陣の演技が見ていて楽しい。
それに、いわゆる若いキャストで釣るようなこともない実力派の大御所たちが連なっていて安心もする。
古美術=贋作、詐欺という大衆の持っているイメージ通りの作品であるところもウケ易いポイントなのだろうな。

佐々木蔵之介演じる陶芸に人生を賭けた狂人とまだまだ若手で王子と称される〇〇が陶芸を語るシーン良い。
自分の手を焼き物のやりすぎでゴツゴツした手であると表現したのちに、王子の手を見てまだまだやなと言ってのけたところ。
同じように贋作上がりの経歴であるとこから、共感を得て最後の暴露に乗ってきたところも胸が熱くなる。

主人公をおじさんたちにすると動機付けに説得力が出てくるから良いよな。
自分達が経験したことだから怨みも一入。

面白い映画でした。続編もあるらしい、こんなんいくらあってもよいですからね。

 

AKIRA(6回目)1988年


10点 AKIRAが好きだから。
見た日 2023年1月21日

誰が何と言おうとAKIRAが好きだから…。
鉄雄が抱いている金田への劣等感が最初から出ていて2時間に上手く話しまとめたなって感じ。
散々インターネットで言われているババアの扱いが雑な件についても、AKIRAを神と見立てるテロリストの一員として描かれているので違和感がない仕上がりになっている。
本当に最高のアニメだと思う。

*1:波田陽区、ただしクレジット上もギター侍